僕は目の上直線が好きなのだ。

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫) 一週間ほど前に映画の『姑獲鳥の夏』を観てきました。賛否両論ありますが、私としては楽しめました。というか「よくがんばった」というのが感想です。小説の方では原作について、その分厚さが特徴的ですがその容量の多さが取り沙汰されますが、ストーリーはそんなに難解ではないと思います。ただ、ストーリーに関わる予備知識の説明の量が多いだけで。もちろん、私が持っていた視覚的イメージとは異なる部分がありましたが(全員が同じイメージを持っていたらそれは怖いですね)、原作からそうはずれていなかったと思います。ただ、始めの方の京極堂の、認識論の講釈はうわっすべりな感じがしました。これは映画のセリフと小説の活字とのギャップから生まれたものかと推測します。ふつうの人間はあれだけのことを一気に喋ることはまずないので、それが違和感の原因なのでしょう。阿部寛の榎木津はよかった。私の想像キャスティングと合致していたので。永瀬正敏の関口もなかなか。私の中では筒井道隆だったけど。堤真一は可もなく不可もなく。宮迫の木場は、あんまりあってない。高杉亘あたりがよかったんじゃないかなあ。久遠寺の娘は、製作発表のとき、原田知世と聞いて正直ガッカリしましたが、まあ、よかった。個人的には緒川たまきいしだあゆみはかなりツボでした。
 文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)
 さて、次回作はあるのでしょうか。一番映画化してもらいたい作品ですが・・・。