大義名分とは何か

 七三一部隊 (講談社現代新書)先日、某ラジオ番組内で広島(長崎だったかもしれません)の被爆者が原爆を投下したパイロットと対面したことが話題になっていました。耳に触れた程度なので、誤りがあるかもしれませんが、その中でパイロットが被爆者のやけどの跡に驚きながらも「私は軍人だから、もう一度投下命令が下れば、それに従うだろう」といったことに言及していました。
 原爆によって大量殺人を行うことは、私を含めて、ほとんどの人間は「悪」と判断するだろう。しかし、軍人である(あった)彼は、彼自身の葛藤はさておいて、場合によれば、原爆を投下する可能性があることを示唆している。その根拠は彼が軍人であること、つまりは「国を守るため」に求められる。彼には彼の大義名分がある。私だったらどうするだろう?
 731部隊による人体実験の残虐性についてはいまさら述べるまでもないでしょう。私が思ったのは、大義名分(国のため、天皇のため、医学的使命感・・・)さえあればいくらでも価値基準を変えることができるものなのだなあ・・・ということです。うまく表現できません。とにかく、私自身は確固たる信念を持ちたいなあ・・・と。でも難しいんですよね・・・。
 ところで、731部隊に所属していた技師たちが後に医科大学長や薬科大学長になったり、ある軍医は旧ミドリ十字の前身の会社の創立者であったり・・・となんか腑に落ちないわけですが。部隊のトップだった石井四郎は戦後、不遇だったようですが、戦犯に問われることもなかったようだし、というかアメリカとの取引の結果なわけですが。。。