こんなこともあるわいな。

 昨日、家の近くのコンビニで買い物していたら、男の人に声をかけられました。
 「おねがいします。タクシー呼んでください」
 身長は180cm以上あるであろう、アフリカ系の男性です。
 「どこに行きたいんですか」
 「×××(某製薬会社。私の地元の知り合いだったらわかりますよね?)」
 ×××は確かに徒歩だと20分はかかると思いますが、私の住んでいる町は片田舎なので、タクシーを呼ぶにもお金がかかってしまうような気がします(ちなみにわたしは家まで呼んだことがことがありません。自家用車必須の地域なので)。どうせ暇だったので、乗せていくことにしました。
 「じゃあ、私の車で行きましょう」

 と、車に案内すると彼は言いました。
 「友達、いる」
 というと、中東系らしき男の人を連れてきました。正直言って、ちょっと怖かったのですが、まあ、真昼間だし、そんなことも起こるはずもなかろうと思いながら、車を発進させました。
 走り出してからまもなく、近くのディスカウントストアに寄るよう、指示されました。駐車場に車を止めると、もう一人中東系の男の人が、足元に買い物袋を10個ばかり並べて、店の外で待っていました。荷物を積み込んで再出発です。
 ハンドルを握りながら、改めて私は尋ねました。
 「どこに行けばいい?」
 アフリカ系の男性が答えました。
 「カラオケ」
 えっ。
 私は彼らの足か。
 もはやわけがわかりません。
 仕方なく、彼らの道案内に従っていると、到着したのはスナック(おそらくこれがカラオケの正体だと推測されます)の近くにある小さな工場なのでした。荷降ろしと手伝いながら、買い物袋の中身をふと見ると、ベットの敷布だったりハンガーだったり・・・。彼らは出稼ぎ労働者なのでしょうか。あっという間(5分ぐらいか)のドライブだったので、彼らと会話をすることも特にありませんでした。ので、彼らのことについて結局何もわからなかったのでしたが。
 そういえば、帰りがけにアフリカ系の人が
 「ジュース、ジュース」
 と言いながら500円くれました。一度は断ったのですが、押し付けてきます。まあ、彼らもタクシー代が浮いただろうから、ありがたく受け取っておくことにしました。また、どこかで出くわすことがあるかもしれません。小さい町ですから。オチがなくてすいません。
 そんなある日の日曜日。